哀切

過去ログ47 2011/9/2 16:56

◆伊達政宗
逢いてえ、そう思った。強引に俺から返事を寄越すなと話してから未だ一月しか経ってねえのによ。…でももう逢える様な気がしねえ。アンタが俺に文を出す筈が無い、俺もアンタに文を自ら飛ばしはしねえ…勿論、恋人と幸せに遣ってる人間に俺へ構う時間が有る訳もねーしな。…なのに、馬鹿みてえにまた笑いてえなんて考える俺も居る。何をしても恋人以上には成れねえと解って居ても…結局、恋しさには堪えられねえ様だ。

…恐らく俺は解らねえ人間だっただろう。急に笑うわ怒るわ、嘆いて泣いて阿呆みてえにまた笑って、…自分でも良く解っちゃいねえ。だが今なら解るぜ、単純にアンタの隣に居られりゃあ俺が素直に成れただけだった。好きだったぜ、本当に。

もう逢えねえ馬鹿野郎に、最後のprofessだ。元気に遣れよ、何処かで必ず…必ずな。

◆お市
寝ても覚めても、たくさん働いても、趣味をしていても、最近ね、何をしていても楽しくないの。
きっとそれが伝わってしまっていたのね…疲れている貴方を、余計と疲れさせてしまっている。市はあなたに甘えてしまうから…。

このままもう市と会わなくても、いいのよ。これは全部市の罪。市が悪いの。

最後にせめて「さようなら」さえ聞けるなら…市は…………夜の山の中で、あなたを忘れるために目を閉じるから。

◆石田三成
貴様は、私にとって大切な存在だったようだ。理解していたつもりではあったが、貴様を失って気付いた。

離れる事は許さない。そう言っていた筈が、逃げたのは私の方だ。もし謝罪が出来るのならば、友として感謝を示そう。今まで有難う。そして此れからも、宜しく頼む。

もう貴様を苦しめない。いや、この気持ちを明かした事こそが、貴様を苦痛に誘った元凶か。すまなかった。
私はやはり、貴様を愛していたようだ。代理の身ではあるが、この気持ちは変わり得ない。だからこそ、此れからは友として貴様と共に生きたい。悔やみはしたが、今や空虚はなく幸福だ。薄情者だと、笑ってくれても構わん。

◆お市
…市は嘘つきよ。

でも…貴方を愛してると言った、側に居てほしいと言った…その言葉は、ほんとうにほんとうよ。

許してなんて…言わないわ。
市を許さないで。沢山怒って、そして最後には…忘れてしまえばいい。
市にはもう、なぁんにも見えないよ…、貴方の、愛しい背中も……ふふ。

違うのに。
悲しいのは、市じゃ…ないのに。

◆前田慶次
独りで眠るなんてどうってことは無かったよ。人の恋を羨んだり、それに心を躍らせることはあっても自らのは求めなかった。
俺、図体はでけぇ癖に心の臓は小さいもんでね。恋して失う…本当は怖かったんだよ。独りは寂しいけどさ、案外そのちくっとした痛みも我慢出来る。筈、だったんだけどなぁ……はは、あんたの温もりを知って独りが当たり前じゃなくなっちまった。
いつか途切れるのも自然の摂理、なんて世の中半分諦めた風に無理矢理納得してたんだけどなー。……人との繋がりが途切れてしまうのがこんなに恐いと思った事はどれぐらいあったか。あんたと出会ってから何もかもが変わって、溶かされて…なぁ、それでも淋しいと言えない頑固な俺が居る。一人で眠る事すら出来ないって…なっさけねぇな!あんたの姿が見えない、それだけで平常で居られないのがほんと、情けねぇよ。

今まで散々悩ませて来た、こうして今も待たせてる…ってさ、あんた優しいからねぇ。余計に心を痛めるんだろ?ごめんよ…想いに蓋でもしてあんたを綺麗に解放してやれたら良いのに。それでも好きで愛してる…はは、往生際が悪い。


嫌いになってくれたら、嫌いになれたらいいのに。受け止めてくれる温もりに心全部預けちまったから……、だめだ。やっぱりあんたが好きだよ。

◆宇都宮広綱
俺にもさー、大事な虎の一匹ってのが居て、その虎の事だけは名前も好きなものも癖だって覚えてるんだ。なのにその一匹が消えちゃうのってさ、きっついんだよなー、本当。

あーあ、武の男には程遠いな、これ。
泣いてなんか居れないのに。