哀切

過去ログ49 2011/11/3 23:43

◆真田幸村
解っていた…某は解っていたのだ…初めから上手くはいかないだろうと。だが、それでも貴殿は某の元へやって来てこの手をとってくださった!某は嬉しかった…この上無い歓喜に震えた…しかしそれはたったの3日で終わってしまった…まるで白昼夢を見ているかのような気分を味わった。いや、正確に申すと現在も…何故何も言わずに去ってしまったのだ!まだ何も話していないというのに…やはり最初の予想は当たっていたということであるのか…しかし、期待を寄せてしまっていた某にも非はある。
某の縁の無さには涙が出てくる程だが…これも仕方のないこと。前々からわかっていたことでござる…何かが始まる前に終わるなど…某にはどうにも出来ぬではないか…もう希望など持てぬ…しかし、一筋の光があるのならば…某はそれにすがり付きたい…

◆石田三成
貴様がふとした時に見慣れない美しい言葉を使うようになって、暫くして別離に至った。

そして今更気付いた私は愚かか、××。

貴様は、もうとっくの昔に私のものでは無くなっていたのだと。

無邪気に一途でいることが報われぬ世界だ。

私は虚構を愛していたのだな、××。

出来れば、私から見えぬ場所で、好き人と仲睦まじくしてほしい。

◆猿飛佐助
宝物ってやつは欲張るとどちらも大切にはできない

二兎追う者はなんとやらってな

だから痛む心に蓋をして一つを手放した

と思ってたんだよ

なのに気付けば手の内にある

また繰り返すのか?

早く戻れなくなる前にもう一度手放さないと

なんて頭ではわかっちゃいるはずなのに

今日も大切に抱えてる

俺様ってどうしようもない奴だ

誰か俺を殴って

目を覚まさせてくれ

もう涙をみるのはうんざりなんだよ

◆長曾我部元親
二日前まで、あんなに楽しい日をあんたと一緒に過ごしてた筈なのによ。
どうしちまったんだろうな。
もう、俺の知ってる、俺を愛してくれたあんたは、帰って来ねぇ気すらする。

…なぁ、あんたは…俺がこのまま立ち去ろうとしても、引き止めてくれねぇんだろ?

…畜生。馬鹿みてぇに、涙が止まらねぇ。なぁ、二日前まで、俺の涙を拭って抱き締めて口付けしてくれるのは、あんただった筈なのによ。俺の横には、もう…居ねぇ。そんな奴は、もう居ねぇんだ。

なぁ、俺を殺してくれるのは、一体誰なんだ、  。

◆松永久秀
先日は満たされていた月も今宵は欠けているようだ。卿は既に御覧になられたかね?

夜闇にひっそりと浮かぶ其の姿は実に見事であるが、月光というものは、闇を際立たせる。その相反する力にこそ、人々は惹き付けられるのだろうか。

ならば闇は?と、卿に問おう。不安や恐怖を掻き立てるその存在は如何にして救いを得るのかー…実に興味深い

闇は闇のままか、それともはたまた愛する変わり者が居るのか…暫し夜闇の星の一つに紛れて傍観させて頂くとするよ


私は、闇は闇としか思わないがね。

◆お市
これで終わり、最期に叫ばせて。
苦しみは何時でも私を狙ってる。でも貴方は市が愛されるというの?
無理よ、もう立てない。ほら、悲しみが手招きしている。だぁれも救ってくれないの。分かってるわ。救われる価値なんて、市には無いもの。

苦しんで

苦しんで

苦しんで

苦しんで

そして死ぬの

市を選ぶ人なんて居ないわ。だって誰も居なかったもの。

未来に光なんてない、でも生きろというのね。死ぬ事も出来ない。

さようなら、さようなら、これは最期の嘆き。

誰も助けてなんてくれないわ、市は知ってるもの。

幸せの無い未来で生きるのは、それはそれは楽しいのよ。