哀切

過去ログ51 2011/11/27 1:31

◆片倉小十郎
己が身を二つに引き裂く事が出来れば…貴方の下に馳せ参じる事が叶うのに。

一つしかない此の身に何故魂は二つ宿ったのか…。
何故此の身は我が物では無いのか。

生まれて初めて己が身の上を呪った。

◆猿飛佐助
無理して俺様を抱いて、どうするの?本当は俺を愛する気なんてないの分かってるんだ。俺様があんたを抱くといっつもすごく幸せそうに笑って有り難うって言うけどさ、あんたが俺様を抱いた時そんな顔して呉れたコト一回も無いよね。まあそんなの分かってるんだ、仕方ないーって事くらいさ。だって俺様は旦那みたく可愛くないし、そのくせ女々しいし全部全部旦那には遠くとおく及ばないから、愛されたいなぁんてばかみたいな願い抱いちゃう時点でゼータクなんだ。今までもたっくさん色んな無理させちゃったんだろうなぁ……ごめんね、ごめんね旦那。
…でも、もう大丈夫だからね。

◆石田三成
また…裏切られた…!

私が一体何をしたと言うのだ…!貴様も所詮はその程度だったという事か…っ
もういい、最初から求めるだけ無駄だったのだ、私が愛を請おうなどと。
二度と恋だの愛などするものか。私には私の憧れがある。

心など最も要らぬモノだと何処ぞの者も言っていた。そうだ、心など要らん。
私の最も憎むべきは心か…っ

◆伊達政宗
久方振りに見上げた月は、やけに冷たくオレを照らしやがる。
そうか…お前はもう居ないんだな、小十郎。

待っていると告げてからも、何度文を綴っては破り捨てたか知れねェ。
別離を決意させた原因はオレが抹消した名なんだろうが、それも本当はきちんと事情を話したかった。
オレからは一切連絡しねェとけじめをつけた以上、何度も文を綴るのは憚れてな。
何で意地になっちまったのか…きっと返事は来ねェと心の何処かで諦めていたんだろう。

ただ、今はそれが悔やまれる。

お前に出逢った場所で、最期の月を愛でながら…今だけ、お前を想って哭くことを赦して欲しい。

◆伊達政宗
俺の理想になりたいって、そう言ったのはアンタのはずだ。

けど、アンタは中途半端な言葉しかくれねェんだな。
一緒に楽しい時間を共有してほしかった。それが嫌なら徹底的に束縛してくれりゃ良かったんだ。

どっち付かずでふらふらなアンタは、俺の不安を煽るばかりだぜ。

…俺からはもう会いに行かねェよ。後はアンタの好きにしな。

◆浅井長政
文を書こうと筆を取っても思いを文字に出来ぬとは、私の正義も最早これまで。

貴殿が悪いのではない。
私が弱ってしまったのだ。

文も交わせず幾月と途絶えた声を今も聴きたいと願って良いのか。気立てが良く明るい貴殿には、もう親しき者がいるかもしれない。そうでなくとも私の文が重荷となるならば―――

私は、心の臓の奥が痛む。