哀切

過去ログ60 2012/2/14 6:05

◆前田慶次
こうして何日も文が途絶えると、今までの嫌な思い出が蘇ってくる。
あんただけはあいつらとは違う、心からそう信じてるけど。
怖いんだ、こんなに幸せな恋に出逢えたのは初めてだから。あんたを失うのが怖い、でも嫌われたくないから俺からは何にも言い出せない。信じて待つだけしか出来ない。
なぁ利、まつ姉ちゃん…こんな弱い俺じゃ、やっぱ駄目だよなぁ?

またあんたと逢ったら俺はちゃんと笑えるかねぇ。あーあ、こんな弱い俺を見せたくなんか無いんだけど、でも逢いたくて仕方ない。
難しいよなぁ、恋ってさ。

◆伊達政宗
…アンタが離れていく夢を見た。
アンタに嫌われて、告げられた別れの言葉は身に覚えの無い事だったが、何も言えなかった。
これ以上嫌われたくない、そう思って受け入れちまった自分に腹が立った。
夢だとは分かってる、分かってんのに…折悪くアンタからの連絡は無い。
心が追いつかねぇ、アンタにこんなに惚れてんだって嫌でも分かっちまった。

諸事情を聞いてる以上俺ァ大人しく待つしか出来ねぇ…否、言えば律儀なアンタの事だ。無理にでも連絡をくれるんだろうが…それは俺が望む所じゃねぇ。
優しさに甘えてこれ以上我が儘に拍車を掛ける訳にもいかねぇしな?

…愛してるよ、darling.
……久しぶりに言うってのはこうもこっ恥ずかしいモンなのか…素直なアンタを見習わねぇとな。

◆真田 幸村
早く、早く
と願いながら幾月が経ったのか

もうそろそろ
待つのも限界だ、佐助…っ

◆前田慶次
未だ、この胸の内で慕うのは…アンタだけだ。

一世一代の告白の後で何事もない様に笑い合った日も、触れれば今も痛む傷も…
愛おしいと言う意味を教えてくれたのは全部、アンタだったんだ。

忘れねぇよ。空に向かって、アンタの幸福を願う事を。
もう二度と逢えない人へ、積もりに積もった愛おしさを込めて…