哀切

過去ログ11 2010/10/23 3:17

◆真田幸村
数ヶ月前。
今は無き吐き出し場にて残されていた、言葉。

これがどうも引っ掛かる。
突然姿を消し、幾度と捜索願いを出した貴殿の様な気がしてならぬのです。
まず書き始めより何かを感じ。文章全体が酷く懐かしさを思い起こさせるもので…。
何より書き込まれた日付、が。やり取りを始めた月日そのものとは。

あれは…あの書き込み主は貴殿なのでござろうか?
残り数月で文が途切れ一年が経つ今も、某は未だ忘れる事が出来ずに居ります。なんと未練がましい…。

己の記憶が正しければこれより寒くなるこの季節に貴殿の誕生日が訪れる筈。
もし一時でも願いが叶うのであれば、一目で構いませぬ…お会いしとうございます。


…政宗、殿…

◆猿飛佐助
信用と信頼と……それがあってこその恋愛関係だったってのにな。今、お前を心から信じられねぇ。一生懸命綴ってくれただろう言葉も嘘かもしれねぇと疑っちまう。
だが先に、あの日までの迷いも不安もねぇ盲目的な関係を崩したのは俺様だから、ぜんぶ自業自得で不安を口にするのさえも本当は俺様には許されるべきじゃねぇんだが。

それでも、馬鹿をみたくねぇ……お前の本心が俺様にねぇなら、一人浮かれたり泣いたり愛を囁いたりする事がひどく馬鹿らしい。

怖い。不安だ。このままお前はどっかいっちまうんじゃねぇか。俺様置いて消えちまうんじゃねぇか。お前をそうしてアッサリ俺様のこと忘れちまうんじゃねぇか。

あんまり言うと、本当に捨てられちまうな。はは。
大丈夫だ、大丈夫。こんな杞憂はこの場所に預けて、次会った時はちゃんといつもの俺様だよ。そうそう、強くて頼れて格好良い史上最高の恋人な俺様。なーんつって。はは……。

◆前田慶次
ひと月…と行って行っちまったアンタは、もう戻って来ないんだろうなー…。まぁ…うん、俺も催促が過ぎたと思う。
やはり人間なんざ甘え過ぎると駄目になっちまうもんなんだね。アンタは一体何を考えて俺の相手をしてくれてたの、しんどかったんだろ。

俺、アンタが甘やかすから…寝る間際なんか面倒くさかったんだろうねぇ、自分されたら きっと凄く面倒くさい。…でも本当にアンタの匂いと体温は心地良くって離れられなかった。


御免な。しんどいことさせちまって…この姿をしたアンタに。

◆前田慶次
気を抜けば涙が零れてしまいそうだ
どうしたら良い?
もう抱きしめてくれることも、好きだと言ってくれることもないんだろう
でもあんたのいない生活は耐えられないよ

どうしてこうなっちまったんだろう
嫌われたのかな。
嫌だと思われたかな。
なぁ、神様がいるのなら…俺からあの人を奪わないでくれよ
未だ…こんなにも好きなんだ

京の連中にはもう終わったから諦めろって言われたけど…そんなに簡単に諦められるならこんなに悩まないよ

◆徳川家康
届かない文、届かない声

大丈夫と宥めてくれたのも、遠くても傍に居ると、だから泣かないでと、居なくならないでくれと言ってくれたのは全て嘘だったのか?優しい優しいお前の声…今も耳に焼き付いて離れないんだ

何が劣り、何がいけなかったのか…頼む、もう一度だけ話がしたい。許されるのならば…次の月。隣にあの者が居ない事を願って

愛しいお前の姿で、誰よりもお前を想って

◆長曾我部元親
あれからもうすぐ一年と半年だ。
篠突く雨の日、行方知れずだったお前から最後の文が俺の元に届いた。
ようやく返った文に、浮かれていた俺を、お前はどう思ったか。
良い子で待てなかった俺を、どんな思いで見限ったか。
知った所で、もう何ももどりゃしねえ。

散々、みっともなく縋り付いて嫌だと駄々を捏ねた。
格好付け見栄張りの俺だが、なりふり構う余裕なんざなく。
結局お前には随分、苦労掛けたな。
好きでもなくなった男の泣き言は、鬱陶しくて仕方なかったろ?

もう、迷惑は掛けねえからよ。
未だにお前の幸せを願えない俺を、お前を諦められねえ俺を、どうか心の片隅で赦して欲しい。