哀切

過去ログ13 2010/10/27 3:11

◆伊達政宗
もう触れられねぇかもしれねぇ

氷河に浸された体温
募るばかりの不安
積み上げられる部外者の愛

俺はどうすりゃいいんだ…

潮時…なんてwordが今の俺達には似合いなのか?
あんなに、愛してくれたのに
否…俺の得意な独り善がり、…か

全部アイツの言う通りだなんて、悔しい
だから嫌いなんだ、ずっとなんて

◆お市
お願い…。執着を、返して。
焦げるみたいに胸の芯が熱くなって、釣り上げられたお魚みたいに空気を吸い込んで、やり場の無い思慕を一人抱え込んで…。

お願い。あれは…、あの想いは…市だけのものなの。
あなたを愛する痛みなら…、市は何も怖くないわ。

だから、ね、…執着を返して。あなたを愛したいの…。

◆石田三成
寂しいと想ったところでこの気持ちを口にすることは叶わず。
近づきすぎるな。
ただでさえ、今も欲しているというのに。
これ以上貴様を欲したところで致し方あるまい。

こんなにも、切ない想いをするとは予想もしなかった。
多くを望まず、貴様が傍にあることで満足しよう。


幾ら、心が欲しても聞こえぬ振りを。

◆真田幸村
手の及ばぬ憧憬へ羨望の熱抱き、あろうことか思慕の情等と取り違えるとは真浅はかなり。

貴殿に身を焦がす某の念は、実際貴殿を思っておるのだろうか。

解らぬ。

◆伊達政宗
…優しく、しないでくれよ。

お前は普通に接してくれてんだろうな。それがどれだけ、…どれだけ辛いんだろうな。適当にあしらってくれると思ったのによ。
抱き締めたい、触れたい。今すぐお前を抱き締めて、どこにもやりたくない。

    、…言いたいのに、よ。
その権利はもう、無いのにな。…前と一緒だ。また、お前もどっかに行っちまいそうだ。…捨てるなら、望みも愛も、何もかも、跡形無くなる位に全部ズタズタにしてくれよ。
お前が、最後だから。

◆前田慶次
差し出した手を、取りはしなかった。

其の時点で俺は必要無いんだと、アイツは自分の力で乗り越えていくんだと……判っちゃいたけど、気に掛けちまったのは俺の悪い癖か。

一期一会。
日々、出逢いと別れの繰り返される彼の中だからこそ出来る話も有る。
俺みたいな諦めの悪い人間にゃ、其れが向いて無いのかもしれないなァ。


――もう会えないだろうお前に、幸せが訪れる事を願ってるよ。