哀切

過去ログ22 2010/12/28 3:35

◆前田慶次
その遠い背中を追う事が酷く恐ろしい。
直ぐ手の届く場所に居るはずなのに、俺とあんたの立つ場所は崖の上と海の底。
恐らく、恋しさを感じているのは俺だけ。あんたにとって俺は単なる遊び相手。
愛を唱えない俺が心地良いんだろう?
日の光の下を駆け、夜を忘れた街で刃を交わし、雨の日には一つの傘をさして一緒に歩いた。
したくても出来なかったと話す事に沢山付き合った、あんたが好いてくれるのはそんな俺。
唇を奪いその体を無理にでも開かせる、そんな俺じゃない。

あんたと過ごす日々は楽しい、…けれど楽しければ楽しい程あんたに惹かれてしまうんだ、あんたが欲しくなるんだ。
不在の夜に同じ姿を抱いても何かが違った、俺が触れたいのは可笑しな遊びに興じる子供染みたその姿、無邪気に笑う顔程汚してやりたくなる。
そんな事をしたら軽蔑するか?…するだろうな。だって俺とあんたは恋人じゃない、友人同士。
唇を重ねた記憶も肌に触れた記憶も過去のもの、…こうして会えるようになる前のもの。
だから分かってるよこんな事を望むなんて馬鹿げてるって事ぐらい、でも期待も下心もなしにこんなに遊びに付き合う奴なんて居るか?
あんたの心に住み着きたかったからに決まってるだろう?

恋しちまってごめんな。失うのが怖くて、あんたに打ち明ける度胸なんてないからこの全ては心の奥底へ。あんたの方から求めてくれる日が来るまでは。
けれどあんたの姿も返し薄汚い梟へ戻る前に一言だけ言わせて欲しい
好きだよ、例えあんたのそれが恋じゃなくても。

◆猿飛佐助
時が廻るごとに、人が変わって行くのは本当なんだねぇ…。
異端は弾き出されるなんて。ねぇ、此の世の中はそんなに薄情なモンなのかよ。
本当、生きにくい世界になっちまったな、此処も。

此処の世界は…光が差してると思ったんだけど、どうやら思い違いだったみたいだわ。

どうかその愚かな行為に…気付いて下さいよ、旦那方。

◆伊達政宗
寂しい、…なんて性格をいい加減治さねぇと

なぁ、アンタは知ってるか?折角のChristmas…俺が共に過ごしてるのはアンタじゃねぇ…

ずっと、寂しかったんだぜ

誰も埋められない心の隙間を埋められるのは、アンタだけだから
今だってどんな表情をしてようと心は泣いてる
情けねぇな…

もう、愛情なんてやつはねぇのか…?
…って言ったらアンタはまた怒るんだろうな、Haha…っ

…言える訳ねぇよ、そんな事したら、アンタはきっと居なくなっちまう…

あいしてる

◆猿飛佐助
疾うの昔に飛んでいっちまった鴉を追うなんて、そんな馬鹿なことがあんの?


って、あんたなら言うんだろうね。馬鹿をやらかすのが俺様なんだよ。何時まで経っても、飛んだ先を見詰めてる。戻ってきやしないかってね。

でも、もうそろそろ。あんたが望んだ通り前向くから安心してよ。あんたの言う通りにするから、泣いて頂戴よ。

俺様の前じゃ、一度も泣いてくれなかったから。笑ってはぐらかして、あんたは…いつも隠れて泣いてた。俺様は泣けばいい、傷つけばいいって、これまた馬鹿なことを思ってたもんだから。全部、知らん顔して、その癖自分の欲求はあんたにぶつけた。


最低だよな。
自分でもつくづくそう思う。


大晦日、恥を忍んで…あんたに会いにいくから。大丈夫、これで最後さ。本当に、最後。御神籤はアテになりゃしあないし、よっく考えてみれば俺様、神様なんて信じてなかったんだよねえ。


だから、ちゃんと終わらせに行くから。悲しいけど、あんたが背中を押してくれてから一年と少し。随分、振り回しちまった。

全部、終わらせるから。
待っててくれよな。

◆伊達政宗
俺だけがあんたを想ってたのかもしれねぇな…傍にいてぇって今でも思ってんのに伝わんねぇのか?

あんたにもあんたの考えがあっての行動だってのは分かってるが納得できねぇよ。
忘れらんねぇし忘れたくねぇ…

最愛なんてもんは高望みだったのかもしれねぇな…

◆猿飛佐助
あっは…、俺様の勘違いかもしれないけど…アンタは俺様の唯一の旦那、か。


まさか見つかるなんて思わなんだ、否…見つかるなんて思わなかったからこそ、あれだけの鍵を散らかしたのに。


あちゃー、やられちゃったね;;

アンタは俺様に有難うをくれたけど、俺様はアンタに何もしてやれてないじゃん…。

なあ、真田の旦那
俺様がもし、アンタを探したら…アンタはまた舞い戻ってくれんのかな……、っはは。都合が良すぎるな。