哀切

過去ログ25 2011/1/17 3:23

◆猿飛佐助
心が二つに割れて、並立、そのまま枯れて涸れて嗄れて……。

俺様、同じことを繰り返してる……そして、誰よりも傍にいるから、一番知られちゃならねぇお前に見透かされている……。

俺様の恋人達が皆、こう、なるのは……やっぱり俺様自身に原因があるんだ。
責めを負うべきは俺様一人……。

自分で自分の首をしめて、次こそはと挑んでも同じことを繰り返して……いや、ここで立ち止まるまい。きっといずれ道はあるから。なにもかもが上手くいくから。

だからひとまず今は眠ろう。おやすみ……  。

◆竹中半兵衛
 
僕は僕が嫌いだ。
唯一残された"信じて待つ"と云う行為を投げ出し、多忙を極めた彼の実直な言葉に苛立ちすら覚えて総てを捨てた。…けれど踏ん切りが付かず、籠に収まらない程溢れた文の中で苦痛に喘ぐ夜も少なくない。

――…傷付けておいて甘えるなんて、何処迄愚直な情に流されたら気が済むのか。其の気が無いなら傍に居ても仕方が無い、だなんて―…僕が云って良い科白じゃあない筈だ。

彼が悪い訳では無い。
断ち切れずに壁越しで存在を確かめる、僕に総ての原因が有る。彼と友人になんて成れはしない癖に、……愚かだな。


溺れて居るなら、誰かに助けを請う事だ。更に沈んで水面が届かなくなる前になら、助かる方法は幾等でも在るだろう。


歩いては振り返り、
立ち止まる僕を置いて行けば良い。


…仕方が無いんだ。総ては、そう。
君の求める事を頭の隅で理解しながら、君が紡がないのを良い事に狡賢く自分だけが心地の好い場所に居座る、卑怯な男だから。


――…俺に対して怒るなんて御門違いだろ、そう、云えば良いさ。僕だって解ってる。
…解っているよ、慶次君。


其れでも、君にも触れて欲しい僕は
…僕は、僕が嫌いで嫌いで仕方無い。

◆雑賀孫市
ふと描いた終焉がある。
我等はお前を手放す気はないが、もしお前が契約を…いや、関係を終わらせたいというなら、と。お前は優しいからその様な事は言わないと言ってくれるだろうが、いつかは別れはくる。その時の話だ。

信じていない訳ではない。
訳ではないが…想像は、易かった。
その分、簡単に恐怖が煽る。

一分でも一秒でも、我等に赤き鐘の契約を。お前の心を我等に添わせてくれないだろうか。お前の心が我等に、私に向かなくなる日を、少しでも遠く。
…遠くはないと訴えかける魔は偽であると、杞憂であると、どうか、

◆伊達政宗
路は数多ある。
何れを選ぶかは自由なれど、自ら其れを決めたからには避けて通れない路だ。
先走った妄想に隻眼が濁る。
既に喪った右目が蛆虫沸くかの様に疼いて痒い。
此選んだ奴は皆、腹据えて、直面する事実を受け止めるんだよ。だから俺も例外無く来るべき事実を見なきゃなんねえ。
頭鎚で殴られても、左の目玉ひん剥いて逸らさず見る覚悟を何時でも出来る様にしておくからよ。

別に怖かねえ。いや、馬路の話。
こう言う時にこそ、磨り減り尖った精神みてえなのが問われてる気もするがな。
悪い。
躯なんざ体現の器でしかないからこそ、腹立たしい。結局今出てくる言葉の拙さに失笑すら出る。


愛しいからこそ、どう表現したら良いのか解らない。
俺の言葉は安いな。


馬鹿みてえ。

◆伊達政宗
涙が、止まらない。
あの時ああすれば良かった、とか。こうすれば良かった、とか。思うことは沢山あるけどよォ…。
俺が悔いるのは、数年前のあの時だけだ。

…息苦しい。溺れちまいそうだ。久々の夢見の悪さに怯えちまってるのか。……ha,独眼竜ともあろうものが情けないぜ。
―…全て熱の所為にしちまおう。そうすれば直ぐに終わる。

◆真田幸村
お前は俺の忍だ。しかし、今は違う。
我慢をするな、すべてを隠すな。あの時とは違うだろう?