哀切

過去ログ26 2011/1/21 16:19

◆猿飛佐助
此処に書くのも何回目になるか分かんないけど、多分、アンタのこと書くのは最後だぜ。


飽きたなら飽きたと、嫌いなら嫌いと、面倒でも気持ち悪いでも重いでも、何でもいいからはっきり言ってくれよ。

アンタのその曖昧な態度が、一番俺様を傷付けてるって、分からない?

いつも、大事な時は、黙りこくって、謝って、消える。


夫婦って言ったって、俺様とアンタの関係ってそんなもんだったんだな、って昨日改めて実感したよ。

俺様に逃げるなって言ったのはアンタだったのに、掴まえておけって言ったのもアンタだったのに、アンタは自分が逃げて、掴まえさせてもくれなかった。

させるつもりもないなら、初めからそんなこと言うな。


俺様は、そんなアンタに涙さえも出ない。


きっと置いちまったこの距離は、縮まることもなく、飛び立った黒羽のアンタは、戻ることもないんだろう。

ま、アンタは大事な人たちに囲まれてるから俺様のこんな言葉には気付かないだろうけどさ。


またね、はないよ。

◆伊達政宗
なぁ、俺が逢いたいって言ったらだめか?
声聞きたい、温もり感じたい

……Ha,俺も随分女々しくなっちまったな


頼むから…文をくれよ…
寂しくて、雪と一緒に消えちまいそうだ

◆伊達政宗
お前がいねぇと…、…俺は俺で、いられねえんだ。
涙、とまんねぇ…

叶うならもう一度、…お前の妻に…

◆徳川家康
晩夏に出逢い、切れた絆を繋ぎ合わせ、年を越して今に至る。千切れそうな絆を必死に手繰りお前を探るは、今は如何やらわしのようだ。
沢山文を交わした。お前はわしを愛らしい奴だと笑ったが其れは其れは不服で為らない、愛らしいのはお前だ、わしの心を翻弄して止まぬのは何時もお前の方だった。幾度抱いても飽き足らない、妙な渇望を求めるばかり、逸そ一人の人間だったなら──…と。

お前はわしを待っている。言葉無く、只ひたすらにお前を喪う覚悟が出来ないわしを無言の侭に待っている。…わしは幾度待たせたろう、其の度にお前はわしの身を案じて呉れていたな。愛しかった、大好きだった、わしを愛して呉れたお前が…。此の愛しさ消え失せようと、只一人の友として傍にと願うわしは卑怯だ。

又文を送ろう。最後に為るかな、なァ、嘗ては蝶だった日溜まりよ。凶王の卑怯な言葉並べを見ているか。

◆雑賀孫市(代理)
お前の夢を見た。目覚めの悪い夢であったが、そのせいで無性にまた此処に戻ってきたくなってしまった。

なぁ、元親。お前は我等に何時でも迎えてくれると言ったな。我等はその言葉を信じている。だから優しい嘘であろうとも我等の前ではそれを貫き通せ。契約の赤い鐘は、一度鳴らしてしまえばそれは破れぬ約束となるのだから。


なんて、貴様には直ぐに強がりだと分かってしまうような薄い言葉はいらぬか。だが優しいお前に甘えてるだけだなんて、これでは只の烏だ。強がるくらい許せ。

元親、そして右目。お前らが変わらず幸せであることを離れた場所から願っている。

嗚呼、因みに此れは我等からではなく竜から預かった伝言だ。竜の近況が気になるか?ふふっ、あいつは再び空を飛ぶ練習をしているとだけ伝えておこう。

涙もろい兄から
ちゃん付けで呼んでいた鬼
その恋人の優しい右目
両者に向けた色鮮やかな花束を此処に。

◆前田慶次
こんなに風が強く寒い日は仰ぐ空には雲一つ無くて限りなく蒼くて冷たい。
そんな空にふと戦場に立つあんたを思う。

戦い疲れたあんたが心地良く眠れるように膝枕がしたい。
それから甘えることを知らずに育ったあんたを骨の髄までどろどろに甘やかしてやりたいよ。
俺は何も要らないんだ、ただあんたに安らぎを与えたい。
…ねぇ__。ただ傍にいてあんたの体温を感じたいと願うのは過ぎた望みかい?


あいつを棄てて俺の許へ来てよ、恋しい人。
こちとらあんたが抱えている不安ごと全部抱き締める覚悟は出来ているんだ。