哀切

過去ログ30 2011/2/16 21:56

◆徳川家康
想っていても仕方ない、もう忘れよう忘れよう。…って、そう簡単に忘れられるものか!

はぁ…何を見てもお前との思い出ばかりが蘇るよ。今でも、もしもあの時…と、後悔してばかりだ。まったく、情けないな。

ワシはもうしばらくこのまま、お前との思い出に捕われたままで居る事になりそうだ。
お前も少しは、ワシを思い出したりしてくれていたら…嬉しいんだがな。

だが、そんな事より息災で。

◆石田三成
この胸の罪悪感、劣等感、嫌悪感、どうすれば良い。

私は私が許せない。
愚かで浅ましく女々しい私が。
私の全てが!

貴様が私を許すというのに私自身は許せない。
真摯に向かい合う貴様に背を向ける私にまた嫌悪する!

…貴様の事は愛している。

これはこの身に受けた呪い、私の罪だ。
貴様まで呪いに触れる必要はない。

飽きた時は捨てていけ。

◆お市
やめて…
もうやめて…!!!

全部市のせいなのはわかってる……!!
市が全部全部悪いの…

市が淋しい時や一人の時に皆は忙しい…
だから余計に闇が来る……
市は代理よ…闇色さんと…日輪の申し子さんの…


あぁ……闇がくる…
ごめんなさい……


気付いて、欲しいのかな…

◆石田三成
きっと貴様は気付かない。故に記す。

私は過ちを繰り返している。貴様の…貴様らの……いや、それ以上は言うまい。

今でも、貴様を目にすると苛々する。踏みつけ頭を垂れさせ泣かせたくなる。だが、それでも……特別、だったようだ。

今更?知らん。私には秀吉様も半兵衛様も刑部もいる。貴様など要らん。

幸せに…な?
最後が私でないのが不服だが。この嘘吐きめ。出来ぬ約束はするな。

貴様なんぞ、嫌いだ。嫌いだからな。
……嫌い、だ。

◆伊達政宗
しんしんと、
降り積もる雪の寒さはまるで俺の心みてぇだ。

もうお前を求めない、
そう決めた。
この気持ちも、積もる雪の下にと

けれど。
想い恋しと空の胸が鳴く。
…ならば、
いっそこの身も供に連れて行ってやろうか。

そうすれば、
汚れた身体も想いも、白く染まれるだろ?

◆松永久秀
この感情は浅ましい

人とは…何かを手に入れればまたその先を求めてしまう。
己の欲の為に想う相手へ自己を押し付ける様は実に滑稽だ。

想う相手ならばなお更己より相手を重んじるが当然
堪えられぬそれは己を中心に世を回す単なる我侭な子供だと

私は浅ましく滑稽だ。


卿の嫌うそれに成り下がる前に、この喉元を噛み千切ってくれ
白く染まるあの地が黒く汚れるその前に、この腕を削ぎ落としてくれまいか
これ以上余計な言葉を吐けぬよう、これ以上その長い髪に触れぬよう

私が惹かれたのは気侭に野を駆る卿だ、この老いた手で自由を奪いたくはない。
少年、あの言葉は忘れなさい。
月を肴に酒を酌み交わすにせよ、得物を携え向かい合うにせよ、共に時を過ごせればそれで構わぬ。


それが許されぬのなら、その牙で引き裂かれるも本望。
泥に汚れたあの日とは逆に、この身を組み敷き息の根を止めて欲しい。

いっそう一思いに
月が綺麗だ、と
囁くこの口を