哀切

過去ログ33 2011/3/18 22:41

◆真田幸村
寂しい、と。
その一言を俺は飲み込む。
この状況下、不安だらけの世の中という陰が重く、その肩に寄りかかりたいと、確認したいと、浅はかなる願望が胸に湧く。かくも弱く揺れる心、其れは蜻蛉が如くゆらゆらと。

煩わしい、この感情を吐き出してしまえたらと、願わない訳では無い。

しかしながら、貴殿に逢えぬとて僅かな時間…の筈だ。抑えよ幸村。慢心する事無く己が稚拙なる心を飲み込むのだ。

不甲斐なきこの哀切を誰に届ける事もせぬ。押し付けるも見せつけるも、真田が名の恥と思え。

ただ、…ただ一時、貴殿との刻に想いを馳せ、故に瞳端から流れやる僅かな水滴だけを、赦してくだされ…

◆石田三成
先に一度触れたこともあったが、件の災より安否のわからない知人が居る。
貴様も未だ続く余震の畏怖に苛まれていることだろう、私との会瀬で僅かでも紛れるのであれば力に成りたい…そこに偽り等ありはしない。
常と変わらず、寄り掛かる存在を包み込む暖でありたい。

そう、頭では理解していても。…矢張り私とて人の子ということか。
他者の支えなくしては崩折れてしまいそうな現状を嘲笑えばいい。

位置付けとしては蚊帳の外の私が情を挟むなど、あっては成らない事だ。
しかし、此度の事象は余りにも大き過ぎた。


貴様の思うまま、無心に触れ合うことが出来ず…あまつ、進行形で寂しい思いをさせてすまない。
貴様への確かな想いをこんな形で綴りたくはなかった。


寄せ集めの光を纏いて姿を現すのも、今は多少の痛みを伴う。
然れど貴様の想いに応えなければ成らない。
わかっている。
そんなことは、疾うに理解している。

許可なく我を通してばかりの私に愛想を尽かしたのであれば弓を引け。
貴様から向けられる気持ちならば喜んで受け入れよう。

願わくば、一日も早い安寧を貴様に。

◆伊達政宗
こんな状況下だ。White dayも逢わなかったな。
but.明日は記念日だ。なぁ、少しだけでもイイ。オマエに逢いてぇよ。

オマエの声が聞きてぇ。


抱き締めて、くれ。

◆真田幸村
忸怩たる思いとは、斯様なものを申すのでしょうな。

烏が、なくのです。
眼の玉が乾いているから本人は笑っているつもりでいるが、作り笑顔の得意な彼奴とは思えぬ粗末な表情をする。

あれは某の忍、某が守るのが務めでありましょう。
だが、風雨や敵兵から守ってやることはできても、貴殿を恋しがって泣く彼奴自身の心からは、どうにもしてやることができぬのです。

あれを救ってやってくれなどとは、某の誇りにかけて申しますまい。
戯れに佐助を傷つけたのならば、貴殿のことは決して許さぬ。

◆真田幸村
最近、某ばかりが貴殿に恋い焦がれている気がするのです…。貴殿が忙しい方だと分かっておりまする、ですが…行き場の無いこの哀しみや寂しさをどうすれば良いのか、最近では自分自身でも分かりませぬ…。


政宗殿、早く会いに来て下され…そして沢山抱き締めて、また前のように愛を囁いて欲しいと願うのです。

◆長曾我部元親
少しだけ、な?突き放した言い方をした自覚はある。離れる準備をしてんだ、これでもよ。
贅沢も高望みも、もうしねえ。いつの間にか、「当たり前」が「贅沢」で「高望み」になっちまってた、から。
……ごめんな。愛してた。