哀切

過去ログ9 2010/10/16 22:48

◆毛利元就
酷く不様なもの。
ほんのあれしきの事でこうも胸中を乱すとは、我もまた日輪よりも人の子。

日が沈めば月は昇る。それが必定であらば其方は我の手には入らず、と。

世迷い言は幾らでも。
其方へ我の心算が届くならば、其方は我の手に易々と、とはいかぬも道理。

人の縁とは断ち切れるが故に愛しいというならば、其方から断ち切って呉れ。

其方の姿を借り、語る。

◆伊達政宗
飽きたんなら捨てろよ。怖いのは、興味がねぇ奴にまで相手する検討違いに律義な優しさだ。

俺の思慕ってのは重ぇからな、アンタに背負っちゃ貰いたくねえ。
アンタの目に映らねぇ様な俺を、飼い殺すなんて真似はしてくれるなよ。

アンタを愛しちまったんだ、もう傍にはいられねえ。

他の誰よりもアンタを想って、俺はアンタを拒絶する。

◆伊達政宗
悲しいモンだよな。
けどもう良いんだ、俺は何も言わねぇよ。
アンタが望む通り知らねぇふりをする、馬鹿で都合の良い俺を演じ続ける事にする。

ひとときでも信じた。
だが、所詮アンタも俺も人でしかねぇんだ。

嘘を付かれる度に、心は…Heartは離れてく。
ごめんな、__。
もう悩まねぇ事にした。

◆鶴姫
…もう前のように優しく抱き締めてはくれないんですね…。

◆真田幸村
貴殿と離れてこの方、某は幾度も御仁と恋仲になり…幾度も別れを告げられてきた。

某が、その方の背に貴殿を見ているからに御座る。

同じ姿をしていようが似た風なお言葉を頂けようが…この御仁は貴殿では無いのだと。

何度忘れ去ろうとしても…不意にそう思い涙が流れるので御座います。

某の芯には今も尚…貴殿が居りますのだ。
身分や質等で恋仲となる事を懸念されていた貴殿へ…これからも永久に、某は斯様なものには屈したく有りませぬ。

この世で一番に愛しております。

◆真田幸村
この想いが決して同情から来る物では無いと、そう某は言い切れぬのだ。

いつこの咽喉が貴殿を愛しいとそう囁くか、…最早時間の問題でありましょう。辛い、酷く辛い。貴殿へ想いを遂げれぬ事が…酷く某を焦がす。胸が、痛い。
だが…、決して真白とは言えぬ想い…貴殿が知ればどのような顔をするだろうか。某を軽蔑するか、果ては嫌うか…、…解っている、甘い言葉で又、某をその腕の中へと招くのだろう?…渇望している、その腕に埋もれる日を何時しかはと…某は渇望しているというのに。……言えぬ、…言える訳がない。
いつ貴殿を傷付けてしまうやもしれぬ己が酷く憎く恐いのだ。省みれば、貴殿を傷付けあしらった記憶しか御座らん。なのに貴殿はいつも某を優しき調で包み込む。笑わせてくれる、…何度この胸は靡いたか。何度、貴殿の名を噛み殺したのか………。


…賢しき貴殿は某を見破られるだろうか、…いや構わぬ。最早、隠そうとも思わぬ。厭うまい。…某は、しがない情に揺られる、かの西軍大将の代わり。嗚呼、もういっそ消えてしまえたらと…不甲斐無き某を…どうか…。それほど迄に、某は貴殿に魅せられる。