
彩 愛 美
残り雨慕情
この街に今も 小さな残り雨が降り続いて
まるで私の心を 見透かしたように空が笑う
何時までも晴れぬ 心の凝り雨を拭えなくて
何処か定まらないまま 視線をずらして空を仰ぐ
まだ渇き切らない間に 降る次の雨に怯える
どれだけ傘を用意しても 追い付けはしない
支え切れない心の堤防 流れを読めない愛の行方
繋ぎ止める程の余裕も無く 凍えて行く叫び
声に成らない恋の命綱 握り締め続けて居ても
雨に滑るこの手に掴める恋など 見付けられなくて
何処に居ても変わりはしない 愛の残量が気になる
直ぐにチャージしなけりゃ もう一歩も進めなくなる
何時までも同じ 気持ちのままで走れはしなくて
何処まで進めるのか 不安をダブらす空を仰ぐ
今の私に出来うる 次の手を考えてる
どれだけ無駄な思考しても 空回りしても
何時切れるか解らない 細い糸に全てを託して
足掻き続ける未練の不様さ 全てを晒け出し
このまま終わる恋の運命 見て見ぬ振りをして居ても
雨に曇るガラスに書いた文字のよう 直ぐに消えて行く
もう諦めよう これで最後にしようって
想うだけでは 次の恋には進めはしない
罪に問われる心の葛藤 流れを汲めない恋の末路
行くも止めるもどちらも棘道 裸足で歩いて行く
声を洩らして恋の断末 絞り出すように泣いても
雨が残るこの街に居続けるなら これきりにしよう